KB韓国バスプロトーナメント参戦記
~ 韓国バスプロ戦 SHINGO 準優勝 ~


2007年8月19日(日)に韓国で開催されたトーナメントへのSHINGOの参戦記である。今年も韓国での試合に参戦できる幸運に感謝。 日本では各地で気温が40度を超える異常気象。そんな猛暑の夏の暑い日に韓国に旅立った。

私が韓国戦に参戦し始めて3年目である。初めは日韓親善を目的とした試合参戦であったが、優勝を機に連続参戦を決めて気が付けば3年が経った。韓国での試合や生活は刺激的で様々な経験をしたと思う。その経験が意外と国内での試合にもউに立つ事が多い。今年はシンガルという町で開催される“KB(韓国バスプロ協会)のプロ戦”に参戦してきた。


8月17日金曜日

成田を出国。 今日は移動日である。
友人の韓国のジョン・ウー・ヨンの案内で試合会場まで向かう。途中、家庭的な焼肉屋で夕飯を一緒に食べた。最近、食べ慣れたのか辛いモノも平気になってきた気がする。
今回は日本から中尾選手が初参加した。お互いの近況報告(英語、日本語、韓国語、ボディーランゲージ等)で盛り上り、22時前後にトーナメント会場であるシンガル貯水池に到着した。明日のためにボートだけランチィングしてから宿に向かうことに。

一年ぶりに見たシンガル貯水池は、アオコで覆われた関東にある印旛沼テイストに変貌していた…。
「ここは私の知っているシンガル貯水池ではない…」 そんな第一印象である。
さらに、とてもアオコ臭い(注・私は印旛沼でバス釣りを覚えたので平気?)。
真っ暗な中を多少のトラブルはあったがランチィングを完了させて宿へむかった。

例年の如く深夜2時近くまでワイワイである。



タックル準備中の説明
 
8月18日土曜日

私は気絶したように眠り、気が付くと午前5時、早速起床してプラをするためにシンガル貯水池へ向かう…。
途中朝飯をとる。韓国では朝からガッツリとお腹一杯食べる。韓国海苔巻きに卵でサンドした巨大な海苔巻き?を食べたが私は半分でギブアップ。

午前7時前にシンガル貯水池に到着。

水辺に立つ前に移動中の車の中で「昨晩に見たアオコの光景がウソでありますように…」と祈っていたのだが…。
そこには、予想以上の濃厚なアオコが一面に広がっていた…(注・ミドリのペンキをぶちまけたような)。

「濃厚すぎだよ…」そんな状況でも釣りをする。

バタバタとタックルと出船の準備をする。
日が射すと暑いが気温は32度である。日本の40度に比べればまし…でも、やっぱり蒸し暑い。

印旛沼のようなシンガル貯水池を呆然と眺め思考する。 「何をやろうか?」

ここシンガル貯水池は3回目なので多少の知識はあるのだが…。
「去年のパターンやエリアは通用するのか?」
兎に角、ココからはじめてみよう。
①シャッド(ラッキーのベビーシャッド、HNKLのザッカー)
②ミノー(ラッキーのビーフリーズ、HMKLのK-1)
③バイブレーション(LV500、スゴイバイブ)
④ノーシンカー(ゲーリーのカットテール4、5、6、ゲーリーの4インチグラブ、スワンプクローラー)
⑤ラバージグ(自巻きの1/4オンスに4インチグラブ、ゲーリークロー、ブラッシュホッグ、パワーホッグ)
⑥テキサスリグ(ヤマセンコー6、ブラッシュホッグ、パワーホッグ)
⑦ジャークベイト(HMKLの姫)、スピナーベイト(リミットメーカー、ザップ)

以上、7タックルを用意した。エレキで1周できるので状況判断を含めて取り合えず適当に1周する事にした。

「本能の赴くままに…ベストを尽くすか…」そんな気持ちである。

無風である。 少し前に大方の選手はスタートしていった。
静かな湖面の中を桟橋から沖に出て行く。

スタート地点の目前に“Hera・House”と呼ばれる、日本ではあまり見かけない水上コテージ風のフィッシングハウスがある。

その数は、正確ではないが数十個はあるだろう。

典型的なナイスなマンメイドストラクチャーである。
「バスも沢山ストックしていそうだ…」

バイブレーションで流しながら目ぼしい“Hera・House”をチェックしていると行き成り20m先位でボイルが起きた。
50cm位はあるバスが水面を蹴散らしてベイトを捕食している。
「デケーーー」

一気に釣り人モードに入る。
「あのバスが釣りたいぜーーー」
しかし、なぜか?なんでなのか?バスは反応しない。
流すスピードが速いのがいけないのか無反応である。

去年の感じでは30cm前後ならポロポロとバイトしてくれる印象があったのでショックである。
「韓国のバスもスレてきたのか…まぁ一周してから再度アタックするかな…」

プラをしながら移動していく先々で懐かしい韓国の選手達に会えた。
みんな(40名位)が 「SHINGOさんアンニョハセヨ!」
私も、「アンニョハセヨ!」 と、片言の言葉で挨拶を交わせる位になった。

そして、昨年良かったハンプに取り合えずチェックに入る。
記憶を頼りに山立てしたポイントを見ながら近づいていくと、去年の試合でバッティングした顔馴染みの2名の選手もチェックしていた。
(注・昨年良かったポイントからのチェックは王道?)

30分程大雑把にチェックしたが、私には無反応である、しかし他の選手はキロアップを2本程抜いていたので「ココは生きているか…」確認ができたので先を急ぐ事にした…。
ショアラインを流していると小さなハンプが魚探(ローランス)に映った。

テキサスリグでチェックしてからバイブレーション、シャッドとキャストを繰り返していくと待望の韓国バスが反応した。
サイズは700g前後のバスであるが非常に引く。
ジャンプも豪快で1m位は水面が飛び上がる位である。
充分な引きを堪能してからランディングをした。

「久しぶりだね、明日はデカイ~アボジ(父)かオモニ(母)をね」

素早く山立てをして 「私の明日のキーパー場かな?」という思いで移動しながらの“何気にキャスト”をしリトリーブを開始していると「クンッ」とザッカー(ゴールドスパーク)が押さえ込まれるようなバイトがあり反射的にフッキングをすると重い感じだけのファイトが手に伝わる。
「?デカイのか?フッキングの場所が悪いのか?小さいのか?」
ゆっくりと手元の寄ってきた魚体を見た時に 「…デ、デッ、デカイ…」

ビックバスと目が合った瞬間に覚醒したかのようにビックバス特有の反撃を開始した。
引きが重く、重いまま一気にドラグが悲鳴をあげる。
数分のやりとりでハンドランディンしたビックバス。
試しに日本より持っていった2キロ対応のバネ秤で量ってみると“ビーーン”とバネ秤を振り切るほどのバスである。

久々のビックバスをみて、“嬉しい”のと“明日釣りたかったよ”という複雑な気持ちである。デジカメもないので記録もできない。
誰かに見せたいが、見せたくないという心境の釣り人になっていた(笑)。
という事でココを『アボジハンプ』と名付けてみた。

その後、可もなく不可もなく、12時までにはほぼ貯水池を一周した。
バスの反応は暑さの為か、あまり活性が良くないように思う。
ざっとやった感じでは、カレントの効いたエリアやポイントでバイトがあるがサイズは800gアベレージである。

そんな時、日本から一緒に来たRaizou君に会う。
「初めての韓国バス達は遊んでくらたかい?」
「はい、キロアップもポロポロですが800g位はイージーですよね?楽しいですね!」

「え?私はイージーではないけどポロポロです…」
「もう少しチェックしたら上がりますよ…飲み物も無くなったし、腹も減ったので…」

「ああ、プラは17時まで出来るけど…ボートをつけた桟橋の上で飲み物と簡単な食事はできるよ」
「わかりました!SHINGOさんは何時に上がります?」

「たぶんギリギリまでプラをすると思うから…」
「頑張って、でも日射病にならないように…」

と会話で分かれてから、私が一気に真剣なバスプロモードに突入したのは言うまでもない(苦笑)。
昨年のボイルエリアをチェックし1キロアップを何本か釣り「今年もココは、いけそうだね(期待)」と自分に言い聞かせてランガンをした。

という事でココを昨年同様に『ボイルエリア』と名付けてみた。

13時位にジョォンとバッティングした。

「ベリーホットだけどナイスフィッシュは釣れるかい?」という“ルー大柴”も顔負けの会話である。
「OKです、だからもう上がります」

「え?もうストップフィッシング?」
「ハイ」

彼と分かれてから、さらに一層も二層も真剣なバスプロモードに突入したのは言うまでもない(日本でも滅多に突入しないのに…苦笑)。

陽射しは厳しく、日焼け止めを塗った上からでもお構いないにチリチリと肌を焼く。
風が吹いてきたが熱風である、しかも微妙に風向きが安定しない。
ふと周りを見ると誰もいない。
「あれ?」

シンガル貯水池は四角い地形なのでだいたい一望できるのだが2艇位しか見えない。
「みんな上がったのか?上がったんだな?…貸切か?…貸切だ!!」

貸切状態になったので魚探は掛け放題。 キャストも自由に投げ放題。
元気で過激な陸っパリマンに注意さえすれば好き放題である。

『真夏の開放感が全開』である。

ナチュラルハイ状態が良かったのか、明日狙うエリアが一気に見つかった。
『オモニ(母)岬』
『チング(友)岩』
『絶叫の岬(陸っパリマンが叫んでいる岬)』
『・・・』

午後3時の段階で20本以上6キロ近くは釣った。
これだけサイズを選ぶように釣ると最高の気分にもなるが、バスの行動が少しでも理解する事ができたのが嬉しい。

そこで明日のウイニングウエイト予想を6キロ半とした。
それは、狙うバスがスポッツ系なのと、風が安定しない為である。
それに今日は貸切状態なので釣れてしまった感がある。

私の狩り方も決まった。
今回は、シャッド、ミノー、ジャークベイト、ノーシンカーをメイン使ったフィーディングバスに的を絞った“狩り方”である。
なぜか釣れるカラーの条件もハッキリしてきた。

さらにバイブレーションと、条件によってはテキサス、ラバジーで反射的な狩り方で確率は低いがビックな2キロ前後が混ざれば…。

逆に無風で低活性、ノーフィーディングなら4カットテールのノーシンカー、各サイズのヤマセンコーのノーシンカー、スモラバに3インチカットテール、3インチヤマセンコーのダウンショットである。
しかし、この段階で“身体がシャッド、ミノーのリズム”になっている…変更は難しいが頼れるフォローベイトがあるので気は楽である。

午後4時半の段階でさらに20本近く釣り8キロ近くまでウエイトを上げた。
ただし、2キロ前後のバスの暴れ方は半端じゃない。

ビックウエイトの出る試合になる可能性も出てきた。
事実、使用したシャッド、ミノーの既製品(標準装備)のフックでは簡単に伸ばされる。
ビックバスを数本は掛けているし、大事なシャッドやミノーをブッチ切られてもいる。2個しか持っていないスゴイバイブもブッチ切られた(推定は2kg前後か…)。

様々な思考が交差し、決めた釣りを展開して16時45分に桟橋に戻る。
ココまで煮詰めたのだが、手持ちのポインター65、ベビシャ60、K-1ミノー、ザッカー、姫、スゴイバイブが数個しかない。しかも釣れるカラーはさらにない。

「明日の試合終了まで持つのか…ぶっち切られるなよ…」

16時45分に桟橋に戻ると、みんなが待ち草臥れた顔である。
しかも腹ペコ状態みたいである。
そんな顔を見ていたら、私自身何も食べていない事に気が付いた(笑)
「SHINGOさーーん、頑張りますね、腹減りました~」
「頑張りますよ、ミーも腹がハングリー。しかもベリーハングリーね~」

「SHINGOさーん、ナイスフィッシュは?」
「出たよ!明日はビックウエイト試合の可能性も出てきたね」

「へえー何キロ位ですか?」
「通常なら6キロ前後かと思うけど、8キロ弱の可能性が出てきたよ」

「…(絶句)」
「…」

大体の選手は5キロ~6キロ位釣っている様子。
中には9キロ釣ったという者もいるが…。

そんな話をワイワイしながら片付けをして
会場設置をしている役員やKBのオウ会長に挨拶した。
「よく来ましたね(注・日本語が少し話せる)」
「ありがとうございます」

「お腹減りましたね」
「はぁ…」

「では、夕飯を食べにいきましょう」
「はぁ・・・」

一緒に夕飯に行く事になった。
「SHINGOさんは何を食べたいですか?」
「私達は、よくわからないので任せます」

「では、後から付いて来て下さい」
「はい…」

ジョォンの車に乗りオウ会長を追う。
シンガルの町中にはいる。
懐かしい町並みである。
喧騒と活気が充満している。

初めて入る店(韓国小料理屋)は雑居ビル一階の奥にあった。
オウ会長が 「今日は、韓国のコース料理です」
「はい」

前菜
さしみ…ヒラメ
肉1…牛しかわからない
野菜…ドレッシング
肉2…牛しかわからないが旨い
チジミ…
スープ…辛いけど旨い
魚…ソイの丸上げ
肉3…牛?
フルーツ…スイカ
その他記憶にあるモノ…
小カニの甘辛煮…なかなか美味。
キムチ類…特にオイキムチ。
酒…ジンロとビール

何品出てきたのかわからない。

「全体的に安心した美味しさだね」

焼きながら奪い合うスタイルもいいが、たまには安心してゆっくりと食べるのも良い。そんな韓国料理に感謝です。
それとも、私が今まで体験した韓国での食事スタイルは“せっかち(パリパリ)スタイル”が多いのは、連れて行ってくれる友人が釣り人だからか(謎)。
食べて飲んだ宴が終焉に近づきオウ会長より 「明日は頑張ってください。でも今回は韓国の選手が優勝します」
「はい、ベストだけはベリーベリー尽くします」 3年前に優勝して、去年も優勝したからなのか完全にマーク状態である(苦笑)。

しかし、そんなマークも気にしていられない。合宿所に戻り皆と反省会(?)と呑み会をしながらライン巻き替えやタックルの整備をする仕事が残っている。
ゴソゴソと“妄想を満載にした頭”でタックルの準備を始める。

今日の感じから、スピニングのラインを東レバウオのスーパーフィネスの5ポンドと5.5ポンドに巻き替える。
ベイトは 、東レバウオの14ポンド、16ポンドに巻き替える。
「これでビックバスもラインブレイクさせないぞ…」
シャッド、ミノーのフックも既製品では伸ばされるので、がまかつのトレブル21に全て替える。テキサスにはバルキータイプのフックをセットした。
「これでビックバスにも伸ばされないぞ…」で用意したのが下記のタックルです。

 
  【タックルデーター】  
1
シャッド(ラッキーのベビーシャッド、HNKLのザッカー)
ライン・東レバウオのスーパーフィネス5ポンド
フック・がまかつのトレブル21交換
2
ミノー(ラッキーのビーフリーズ65DD、HMKLのK-1)
ライン・東レバウオのスーパーフィネス5,5ポンド
フック・がまかつのトレブル21交換
3
バイブレーション(スゴイバイブ、LV500、)
ライン・東レバウオの16ポンド
フック・がまかつのトレブル21交換
4
ノーシンカー(ゲーリーのカットテール4、ゲーリーのヤマセンコー各サイズ、スワンプクローラー)
ライン・東レ・シーバスPE F0 (エフゼロ)の18ポンド
フック・がまかつワーム321バルキータイプの1/0サイズ
5
ラバージグ(自巻きの1/4オンスに4インチグラブ、ゲーリーグラブ4インチ黒、ブラッシュホッグ)
ライン・東レバウオの14ポンドライン

6
テキサスリグ(ジャンボグラブ、ブラッシュホッグ)
ライン・東レバウオの16ポンドライン
フック・がまかつワーム321バルキータイプの3/0サイズ
7
ジャークベイト(HMKLの姫)
ライン・東レバウオの7ポンド
フック・がまかつのトレブル21交換
 

その様子を韓国の仲間達は不思議そうに見ている。

特にミノー、シャッドが不思議に感じるのか

「なんでミノーなのか?」
「なんでシャッドなのか?」
「どう使うのか?」という質問を受けた…。
(注・感覚的な事しか今は“わからない”のに…日本語でも説明がし難いのに…苦笑)
後は、各々が明日の戦略を勝手に話し盛り上がる。
みんないい手応えがあったようで「明日の優勝はオレだ…」って感じで盛り上がった。
今夜は大勢の人がいる。KB公認カメラマン(アマチュア選手でもある)も遠路から駆けつけて盛り上がっている。この様に、多くの仲間を見ればMrジョォンの人柄がわかる。
私が気になっている質問を皆に聞いてみた。「明日のウイニングウエイトは?」という質問に
「6キロ後半で…7キロは超えないだろう」という意見が多かった。
ただ、明日の天気予報を見ると『早朝は曇りで、その後快晴で暑くなるでしょう』という。
この“早朝の曇り”次第では…8キロいく選手がいるのか…想像すらできないが可能性を感じる。
そうこうしているうちに、明日は4時起きなので、早く休もうと思い、私は午前1時過ぎに気絶しました。「気絶最高!!」である。

 


朝のミーティング4人ショット
 
8月19日日曜日

午前4時に全員ゾンビのように起き出して身支度をし、食堂へ向かう…(注・食堂へ行く…さすがです)。
朝から食堂でクッパのような熱い鍋を貪る。
「頼もしいかぎりだ…」ただただ私とRaizou君はボー然と眺める。
たっぷり食ってから会場に行き、ボートの準備とタックルのセッティングを行い、タックルチェックをしてもらってからステージ付近にある受付に向かう。(注・このあたりは日本も同じ)
ジョォン、Raizou君と共に受付をすませて会場ステージ前で談話しながらミーティング待ち。
ゾクゾクと他の選手達も集まってきては「SHINGOさーーん、ファイトです」
「今年は、負けませんよ」 顔なじみからの熱い挨拶が嬉しい。
今回、私達が参加する試合はKBのプロ戦シリーズの第3戦である。
40名程のプロが参加している規模だが、シンガル貯水池ではちょうどいい人数である。
午前6時からミーティング開始。
日本から来た私とRaizou君が紹介され一言挨拶。
「今年も日本から日韓親善できました…中略…頑張りましょう」
韓国選手から拍手を頂いた。
オウ会長から挨拶。
ルール説明。
帰着時間の確認。と試合の流れを聞くが韓国語はさっぱりわからない2人。
どうやら13時までにウエインと魚の検量を同時にやらないと失格らしい(注・日本語に通訳してもらうのだが…あやしい)。

そして、試合のスタートを迎える。
午前6時半にスタート、試合開始である。
私のボートには釣りビジョンのカメラマンが乗る。
(注・韓国人で日本語はできない方)

Raizou君にはKBのビデオカメラマンが乗る。
緊張のRaizou君を見るのは微笑ましい。
「Raizou君、釣らないとダメだからね」
「はい…」

まぁ、釣れても、釣れなくても良い思い出になるでしょう(笑)。

私はカメラマンと挨拶をし、簡単な戦略をボディーランゲージで説明してからボートに乗り込みスタートを待つ。
日本同様にみんな殺気立っている。しかも“全員、目がイっている状態”で我先にスタートを待つ。(注・韓国ではカラーフラッグに分かれてスタート。10名位でワンフライトかな)

「SHINGOさーん、スタート始まってますよ!」
「OK!サンキュー(よくわからなままに始まっていた)」

気分を試合モードになるように祈りながら 「さて、どこから攻めるかな…」
ついに試合が始まった。
ルールでは会場前の“Hera・House”周辺はエレキエリアである。
各自のポイントへ向かう為には、先ずエレキ全開で移動してから、その後エンジンで移動である。
私は左周りにスゴイバイブをキャストしながら自分の狙いたいポイントに向かう。
ついでに各選手の行きたい方向(ポイント)を眺めながらバッティングが少ない自分のエリアに入る。
天候は曇り空である。

「まだ、暑くはないなぁ…日が出て暑くなる前に勝負か…」

先客は1人、2人である。
無風なので3キャストで移動し昨日良かった『アボジハンプ』に入る。

微妙に陸っパリマンがいるが釣れていない様子で移動しながら釣りをしていたのでチェックする事にした。
チョイスはラッキークラフトのポインターのディープモデル(ポインターDD65SP-WA)のワカサギカラー、ベビーシャッドのSHINGOカラーのファンタジーモスを交互にキャストしステディーリトリーブをしながら『アボジポイント』を攻める。

 

 

5投目位でバスのバイトがあり600g前後の元気のいいバスをキャッチした。
「おお、まだいたね」

その後、600前後が入れ食ったので30分位でリミットメイク完成。
その光景を呆然と見ていた陸っパリマン達がダッシュで戻ってきてキャストをし始めたのは言うまでもない。
「ここまでか…」

移動を決め微妙なコースにラストキャストすると昨日のような『ズンッ』と重く押さえ込むようなバイト(?)があった。
反射的にフッキングするも動かない。
「あれ?何か(ラインか枝のようなモノ)に引っ掛けたか?」

陸っパリマンがいるから、あまり近づけない。ロッドを立てて少し近づくとラインがゆっくりと走り出す。
「やっぱり、魚だ!バスか?」

重々しく水面を割って姿を現したバスは2kg近い。
ラインブレイクされないように5分近くファイトし、今回はランディング用のネットもないので慎重に慎重にハンドランディング。

「よっしゃーー…いいサイズだ!」

少し震えたね(笑)

陸っパリマンから拍手を頂いた(笑)。
気が付けば3人いた陸っパリマンが7人に増えたので移動。
「あと4本入れ替えれば…今日はシャッド、ミノーでいくかな…」

なんの根拠もないが、ニュータイプの感で「何だかシャッド、ミノーでいけ」と告げている(注・ウソ)。

そして、ポインター65DDが笑っている。HMKLのK-1も姫も笑っている(注・本当)。
最大の理由且つキーポイントは、マッディーウォーターの中で私がアルファーサイト(45Sスペシャルのシャイニーアンバー)を駆使して、サイト確認したベイトフィッシュのサイズとぴったりと言う事である。さらに観察してデカバスがボイルするベイトフィッシュのサイズが2種類いる事を確認した為である。(HMKLの姫とポインター65DDの2サイズ) (レンズマスター坂本氏に感謝)

ただ昨日、試しにザッカー、K-Ⅱ、ベビシャは小さいのが先にアタックしてしまい無限バイトであるがウエイトが伸びない。スゴイバイブは一発デカイバスを拾える。カットテール、ヤマセンコーを使えば最悪の状態(注・釣れない)の時のリミットメイクの切り札であったが…朝一でリミットメイク完了なので、『ポインター』と『姫』で入れ替えサイズを捕獲し確保する事に専念できる。しかも朝一でのリミットメイクは何十年ぶりかと思うほどである。気分も楽である。

そのまま左エリアを20分程適当に流して、『絶叫の岬(陸っパリマンが叫んでいる岬)』へエンジンで移動した。
やはり、陸っパリマンの人気スポットなのか大勢が釣りをしている。
遠目からベイトフィッシュの有無を確認していると陸っパリマンが50アップをぶち抜いている。
「デカバスがいるのは解るが、キャストはできないなぁ…」

しかも天候回復で日が射してきて肌が痛い。
「今日も暑くなるぞ…」

日焼け止めを塗りまくり、ドリンクを飲む。
時間は午前9時前である…。

『チング(友)岩』へ移動。
しかし、ここはベイトが入っていない様子。
600g位のを数本釣ったが、入れ替えならずで移動。

『オモニ(母)岬』へ移動。
ここも風が無く断念。

『ボイルエリア』へ移動。
昨年のキッカーを釣り、昨日もナイスバスを仕留めたエリアである。
しかーし、陸っパリマンの多いこと…過激なキャストでバスでなく私を狙い撃ち状態。
一気に気が滅入る。

「時間をズラして…必ずデカイのを仕留めに戻ってくるぞ…」
時間は9時半位なので11時に再度アタックを心に決めて、スタート地点の目前にある“Hera・House”に向かう。
10時位に到着し沖側からエレキで流そうとスイッチを踏む。

~シーーン~

「?(嫌やーーーな予感)」

ニュータイプゆえの嫌な予感を払拭すべく何度もエレキのスイッチを踏む、踏む、踏む、踏む…。

~シーーン~

「????(注・ゾクッと感じる、嫌やーーーな予感)」

「終わった(エレキ故障?死亡?)」

「さて、どうしたモノか…」

風で流されると面倒であるが、ココは“Hera・Houseエリア”で試合中はエレキのみの移動である。

一応、カメラマンに故障を告げて、会場に電話をして頂きエンジン使用の許可を願いでる。
本部での指示でダメなら棄権である。失格も止むえまい。
電話待ちの間に思いつく箇所をチェックするもエレキはウンともスンとも言わない。動かない。

何もできないまま風に流される。
そして岸に刺さる。
数分後に何とかエンジンの使用が許された。
急いで半分座礁したボートを動かして、エンジンをアイドリングで抜け出した。
そして釣りを再開するためにポイントに移動。
エレキ代わりにエンジンで流し始める。
ボイルするところを狙うように適当に流す。
HMKLの姫をハードジャークして一本キッカーフィッシュがバイトしてきた。
「デケーー暴れるなよ…」
「よーし、そのまま大人しく…」
激しいジャンプをするもバレていない。
「心臓が痛くなるから、大人しくして下さいね…」
「よーし、よーーーし…」

ハンドランディングしたバスは1500以上である。

「ふーーこれで2本のビックバスだ…あと3本」

その後は面白い事に適当に流しているのも関わらず入れ食いである(笑)。
細かい入れ替えに、入れ替えを繰り返して10時45分にはウエイトを5キロオーバーにした。
一番小さいのが800g台、次が800g台、次が900g台である。
1500g台、1900g台がいる。

するとカメラマンに電話が入り「選手で2台エレキも持っていてハンドコンなら貸せるので、それを使いなさい」という指示がきた。
「わかりました。ありがとうございます!」

ありがたい事です。
貸してくれる選手と合流してハンドコンを受け取りお礼を言って別れる。

その選手が自分のポイントに移動しながら釣りをしている様子を何気に見ていると、なんとビックバスを連発させている…。

「奇跡か…良いことはするモノだ…」

ハンドコンで流しているとRaizou君も戻ってきた。
リミットメイクはできていないのか非常に焦っているように見える。
移動を繰り返す
『アボジハンプ』
『チング(友)岩』
『絶叫の岬(陸っパリマンが叫んでいる岬)』
に移動しチェックするも上手く流せない。
これでは陸っパリマンの厳しいガードを掻い潜れない…。

当然、本命ポイントである『ボイルエリア』は無理であろう…。
葛藤しながらも最後時間を“Hera・Houseエリア”に賭ける事にした。
11時20分。

時折、ボイルするポイントをハンドコンでフラフラと流す。
一心不乱にミノーを投げまくる。
ポロポロと700g~900gのバスが釣れて入れ替えをする。
集中しているのか暑さを感じない。
ラッキークラフトのポインター65DDをロングキャストして
さらに一本デカイのが来た!
「デケーー2kg近いか2kgオーバーか?」
アタフタとハンドランディングしようとしたらルアーが見えない。
その瞬間に一気に潜るバス。ドラッグが悲鳴を上げている途中にテンションがなくなる。

「バレた…切れた?」

膝に力がなくなり気絶しそうになる。しかし、カメラマンがいる。
しかも「頑張って」と言ってくれている
辛うじて立ち上がり、ラインチェックするとザラザラである。
口に吸い込まれラインが歯で切れたようだ…もう少しドラグを弱く調整していたら…自分のミスである。

新しいポインター65DDを結び。
アルファーサイトで微妙な水面の変化を見つける。
不思議とバレた後遺症を引き摺っていない自分に気が付く。
「大丈夫だ…」

「見つけた!」
ロングキャストしてリールを5回程しか巻かないうちにズンッとロッドを押さえられた。

「デカイ…今度はバラさない」
慎重にジャンプをかわしてハンドランディングしたバスは推定1500g台である。
(注・デカイのと時間がないのでバネ秤では測定していないが…余裕もない)

小さい900g台と入れ替えである(笑)。
「あと、2本だ」
さらにアルファーサイトで微妙な水面の変化を見つける。
今度はベイトの乱れを見つけた。
ロングキャストして何度かコースを変えてやると“ズンッ”とロッドを押さえられた。
「?デカイのか?…まぁまぁのサイズかな?」
ランディングし量ると1200gある。
「意外とあるね」
900gと入れ替えである。
「あと、1本だ」

何気に同じコースにキャストすると、またも“ズンッ”とロッドを押さえられた。
ランディングすると1100g台である。

「スクールに当たったか?」

これで小さいのが1100gである…。
予想では6キロ後半かな(注・秤の誤差もある)

「少し、お立ち台が見えてきた」

見える辺りでRaizou君もデカイのを釣り上げガッツポーズを上げて叫んでいる。
「Raizou君もいい感じみたいだ」

午後12時5分。
残り時間は55分程であるが帰着し検量を考えると20分はない。
帰着時間の関係からゾクゾクを選手が戻ってきては、時間調整で釣りをしている。

「あと1本」

選手が増えて、さらに釣り難い状況であるがアルファーサイトで微妙な水面の変化を見つけるのに専念した。
「ドラマは起きるのか?」
しかし変化は起きない。

何気なく心引かれる辺りに“超ロングキャスト”してリトリーブしながら、目ではアルファーサイトで微妙な水面の変化を見つけてキョロキョロしていると、グンッと根掛かりのような手応えがあり、直ぐに軽くなるので「何だ?」と振り

向くと…バスがジャンプしている。

その口には何かが付いている。

「何か口に付いているバスがジャンプしたぞ…」
リトリーブしているが抵抗の無くなった感じである。

しかもリトリーブコースの延長線上であるが…。
またジャンプしたバスを見て。
「またジャンプした」

そして口に付いているルアーに見覚えが…突然意識が戻った。
「オレのか?」

私のルアーにバイトしたバスが一気に突っ込んで来ながら口のルアーを外そうとジャンプをしていたみたいだ…。

一気にリールを巻くとテンションと突っ込んでくるバスの軌道がわかった。
「やばい…(注・通常はフッキングされていないのでジャンプでバレる事が多い)」

ハンドコンではなかなか言う事を聞いてくれないボートを操作して奇跡的にランディングしたバスは1200g台。
1100g台と入れ替えをして一気に帰着である。

たぶん「6キロ後半かな?」である。
「お立ち台が見えたかな?」でもある。
(注・曖昧な言い方である。計算上は7キロであるが、秤誤差や検量誤差で何度も泣いた経験があるので…検量してみないとわからない)
帰着しボートを着けてウエインバックに魚を入れ、急いで検量場に行きウエインを済ませ検量を待った。

気になるのか各選手が私の周りに集まりウエインバックを覗き込む。
「SHINGOさーーん!どうですか?」
「ナイスバスだ」

確かにナイスバスを釣ったが上位のウエイトが解らないので喜んでいいのか困る。
先にウエインしたRaizou君は6キロ半である。

ジョォンはミスが重なり5キロ台であった。
私は7300gとコールされた。
しかし、周りは無反応である。

「あれ?ダメなのか?」

急に暑さを思い出した。

表彰式までに片付けをして、ジョォン達と話をして待った。
表彰式の時間が迫り、場所を移動して皆と待つ事に。
するとスタッフがきてオウ会長が私達日本選手に来るようと言うこと。
Raizou君と本部テントに行き話しをした。
どうやら2人で共入賞したので「2人で講習会を20分程やってくれなか」との事である。
「果たして何位なのかな?」

私の結果は準優勝。
Raizou君は4位である。

優勝は私にエレキを貸してくれた人。

 


韓国2位-オウ会長より受賞
 
韓国バスプロ戦ランキング
優勝
イム・フィ・クュン
7685g
2位
SHINGO
7300g
3位
イ・アン・ジョン
6840g
4位
中尾雷太
6450g
5位
ファン・サン・ヨン
5780g
 

こうして無事に試合を終えて日本へ帰国するために仁川