霧と雨のJB TOP50第2戦桧原湖
~篠塚亮・フィールドリポート~

         
   
---JB TOP50第2戦桧原湖が終了しました。おつかれさまでした。今戦、篠塚選手の結果は残念ながら総合47位。年間成績も34位と少し出遅れてしまいました…。
「今までの最低順位ですね…。プリプラクティスではある程度、展開が見えていたんですけど、直前プラクティスの結果で再び惑わされてしまいまして…。桧原湖は学生時代からシリーズ戦に出場したりしていたんで、知らない湖ではないんですけど、スモールマウスの習性を忘れかけていましたね…」
 
---気を取り直して、今戦の展開を。では、プリプラクティスの様子から、お聞かせ下さい。今回は『ウェブテレビ』の撮影クルーも同船したんだとか?
「えぇ、この時の模様はいずれラッキークラフトのホームページ(http://www.luckycraft.co.jp/)で観ることができると思いますよ。今回のプリプラの期間はあまり多くはないんですけど、4日間でした。2週間前の月曜から水曜(7月1日~4日)ですね。まずは桧原湖全体のシャローエリアのチェックから始めました。けど、最初は全然釣れなかったんですよね」
   
 
---桧原湖は高地であることを考えると、7月でもまだシャローにスポーニング期のバスは多かったんでしょうか?
「そうですね。けど、スポーニングといっても、もう後期だったんですよ。ネストを狙うというつもりではなく、今ネストがどんな状態にあるのかを見つつ、その周囲をチェックしていきました。使ったのは『ポインター65』。トゥイッチでわりと速いペースでした。結果、カラになったネストが非常に多かったんです。完全にスモールマウスのスポーニングは終わってるなと。ただ、ラージマウスのネストはまだ残っていました。けど、スモールマウスに比べて圧倒的に数が少ないんで、それはあえて触りませんでした」
---桧原湖戦は1尾のウェイトが軽いものの、スモールで安定したウェイトを残すか、数少ないラージで一発ビッグウェイトを狙うかも、試合の見どころですが。
「自分はマッディウォーターの茨城・霞ヶ浦がホームグラウンドなんで、クリアウォーターでのサイトフィッシングは得意じゃないんですよ(笑)。見える魚を探すのはまだ不慣れなんで、どの湖に行ってもハナからサイトは考えてないんです。国内最高峰の試合ですから、サイトのスペシャリストは当然多い。だから、僕はそれ以外の自分の得意な釣り方で魚を探します。カバーの釣りであったり、ディープの釣りであったりと」
   
 
---若手選手の中でサイトフィッシングではなく、常に別の釣り方で勝負に挑むのは異色ですね。
「若手と言っても、今年27歳ですよ。で、プリプラの話なんですけど、ディープというほどではない水深3~4メートルの釣りでいい結果が見えたんですよ。シャローでスポーニングが終わっているのなら、回復するためにバスはどこに行ったのかと考えて、そのエリアのやや沖をチェックしてみた結果なんです。その水深にはちょうどコカナダ藻が生えていて、小さなエビも多かったんですよね。多分、エビもシャローで産卵した後にウィードに入ったんだと思います。それに、釣れたどのスモールもエビを吐きながら上がって来るのもヒントになりました」
 
---釣り方は、シャローのチェックと同じく『ポインター65』で?
 
「いえ、こちらは『ポインター65DD』のキャロライナリグです。
日本名はおなじみのビーフリーズ。重心固定なんですけど、飛距離は出るし、ダートのキレにも優れているし、トータル性能でレベルが高いんですよ。DDになると少しリップが長くなって、潜行深度も1.5メートルとやや深くなります。そのリップを見るとダートしにくいかなと思うんですけどそんなこともなくて、軽い力でもよりダートするように仕上がっているんですよ。この釣りではやや小ぶりなベビーシャッドで口を使わせることもあるんですけど、今回はよりリアクション重視ということでコレを選びました」
 
---ミノーのキャロライナリグはどんな動かし方で、どんなアクションを?
「キャストして着水したら、一旦ボトムまでカーブフォールで沈めます。JBトーナメントルールで、ハードルアーはキャストした後にラインを出しちゃいけないことになってるんでまずは沈めるだけです。で、動かし方はいわゆるジャークですね。ロッドを大きく鋭くアオることで、ボトムに着いていたシンカーが浮くと同時にミノーもダート。そして、シンカーが落ちる時にミノーも引っ張られるようにしてダート。この繰り返しによって、通常のジャークよりさらに激しいダートアクションを見せてくれるんです。リアクションでバスに口を使わせる釣り方ですね」
 
<ミノー・キャロライナリグ>
●ルアー:ポインター65DD*ゴーストミノー(ラッキークラフト)+レインズタングステンスリップシンカー3/16オンス(レイン)
●ロッド:ザ・ストラテジー ツアラーSTS-60FW(スミス)
●リール:ルビアス2506
●ライン+リーダー:スーパーFCスナイパー4ポンド+3ポンド(サンライン)
 
 
---プリプラの結果、どんな結論が出たんでしょう?
「スポーニングエリアとなるシャローでは釣れなかったんですけど、その沖にある水深3~4メートルのウィード周りは魚が濃いなと。早稲沢沖、月島の西側などが特によかったんです。キャロライナリグはワームでも試したんですけど、ミノーと同様にどちらでも釣れたんですよ。ミノーの方がやはり大きい魚が釣れる確率が高かったですね。で、釣り方はこれで間違いないなと」
 
<キャロライナリグ>
●ルアー:タイニーBホッグ or タイニーレインズホッグ*モエビ+ノガレス モスキート#2+レインズタングステンスリップシンカー3/32オンス(共にレイン)
●ロッド:ザ・ストラテジー ツアラーSTS-65DS/SUL(スミス)
●リール:ルビアス2506
●ライン+リーダー:スーパーFCスナイパー3ポンド+トルネード Vハード0.6号(サンライン)
 
---そして2週間後、試合直前のプラクティス2日間へと。
「プリプラでの結果を踏まえて確認作業に入ったんです。で、水深3~4メートルを釣っていると、なぜかさらに沖で釣れてしまったんですよ。例えば、月島周辺のハンプで、トップが4~5メートルで少し外れると9メートルくらいまで落ちてるような場所です。で、こういった場所でのキャロは他にやり込んでる選手もいないようなので期待できるかなと思ってしまったんです。でも、直前プラの日は気温が高かったんですよね…そのことをしっかり踏まえておけば…。今さら言い訳になってしまいますけど…」
   
 
---そして試合本番、初日です。前日の快晴とは打って変わって、雨混じりの曇り。気温もかなり低くなりました。
「そうなんです。一気に気温が下がったんですよね…。早くそこに気づいていれば…。初日は朝イチ、月島の北側にあるハンプに入ったんです。そこで400グラムのキーパーが獲れたんです。300グラム台のスモールが多い桧原湖では、このサイズを5尾揃えれば中位以上をキープできる。そこに何尾のキッカーを混ぜるかが上位への勝負になってくるんですよね。でも、その後、パッタリ釣れなくなったんですよ…。早稲沢沖に移動しても釣れなくて、再び南下してふたご島の南側のハンプへ行ったんです。そこでようやく3尾のキーパーを獲って、5尾のリミットは揃わないまま帰着…。この日使ったのは、ハンプをメインに狙ってたんで、ワームのキャロライナリグでした。ハンプにはスタンプなどのカバーが多かったんで、ガード付きフックを使って根がかりを避けたかったんですよ」
 
---初日は4尾1416グラムで48位。好スタートとは言えない結果でした…。
「前日プラでは快晴で、深くて涼しいサマーパターンの魚が多かったんですけど、当日は減ってしまったんです。でも、深い方を釣り続けてしまった…。気温が下がったとしても、桧原湖は既に夏に入りかけていることは間違いない。だから、ちょっとしたタイミングで釣れ始めるんじゃないかと」
   
 
---実際、上位の中にはサマーパターンを押し通した選手もいました。考え方は間違っていなかったということですが…。
「でも、僕には釣れなかったんですよ…。この日、沖目を外してやや浅い水深3~4メートルを狙った選手がいい結果を出したんです。そうなんです、僕のプリプラの考え方だったんですよね。ココで迷ってしまって、2日目はやはり当初の考え方に戻そうと思ったんです。後から考えると、これもダメだったんですよね…」
 
---水深3~4メートルを狙い続けて、最終的に上位に入った選手もいました。桧原湖はポストスポーンからサマーパターンへ移行する時期、浅めも深めもどちらも間違いではなかった。ただタイミングがズレたと。
「えぇ、そうなんです。で、2日目は初日ハズした分を挽回しないと、3日目の決勝に残れないんで、前日の場所でやや岸寄りに入りました。けど、どうしたことか全然釣れず…。かといって、前日とは別のエリアに入ろうとしても、そこに他の選手がいれば入ることはできない。マイエリアはコンペティターの暗黙の了解ですから。結局、初日にも釣ったふたご島の南側へ行って、キーパーを何とか5尾揃えただけて帰着となってしまいしました。使ったのはキャロで、この日はワームもミノーも使いました。プリプラ、直前プラでは好調でしたけど、試合は2日間を通して入れ替えはなかったですね…」
   
 
---2日目は5尾1490グラムで38位。予選成績は47位。決勝進出となる30位内は確保できませんでした…。
「2日目から徐々に暖かくなって来てたんですよ。だから、僕が初日に狙ってた沖もよくなってきていた。僕はミノーのキャロも使ってたワケですけど、同様なリグでいいウェイトを出してる選手もいたんです。自分が釣れなかったのは、やはりタイミングがわるかった。今戦は全て裏目裏目に出てしまいましたね…」
 
---特に天候の読み違いが、大きな原因だったと。
「ですね。頭の中ではわかっていたんですよ。桧原湖の7月は、まだ深い場所に落ち切っていないって。それと天候次第で、スモールマウスの居場所はコロコロ変わるってことも。学生の頃に出場していた桧原湖シリーズは2日間の試合だったんですけど、初日に読み違えても、2日目にアジャストして釣れてたんです。そういったことを忘れていたんですよ。直前プラでの結果を信じ込み過ぎた。ラージマウスとスモールマウスの習性の違いを、改めて考え直さないといけないですね」
 
 
---次戦第3戦(8月31日~9月2日)は、長野・野尻湖です。再びスモールマウスがメインの湖となりますが?
「まずはスモールのエサの多い場所を探します。やっぱり時期的にサマーパターンですから、ディープのワカサギになるでしょうね。虫パターンという手もあるんですけど、このパターンはまだ僕の持ち駒じゃない。だから、ディープで数を釣って、その中でいいサイズを混ぜていくのが僕の釣りなのかなと思っています。実際、去年の野尻湖戦では2日目は少し順位を落としましたけど、初日と最終日は11位えした。あとはタイミングだけ。頭を堅くしないで、幅広い視野を持って、なるべくシンプルに戦っていきたいなと思っています。頑張ります!」
 
~ Color Choice - Smallmouth Bass ~

   
文:篠崎亮 写真:市川喜栄
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